「異次元ルーキー」と呼ばれる、拓殖大学1年の不破聖衣来(ふわ・せいら)さん。
不破聖衣来さんは、初の大学駅伝だった全日本女子の5区で区間記録を1分14秒も更新し、また、10000mでは日本歴代2位で、日本女子学生新記録を樹立し、注目を集めています。
そんな不破聖衣来さんがこれまでにどこの学校で競技に励み、何故、拓殖大学に進んだのか、気になる人も多いと思います。
そこで今回の記事では、
・不破聖衣来が拓殖大学を選んだ理由
・不破聖衣来の凄さの理由
不破聖衣来の中学や高校はどこ?
不破聖衣来の出身中学
不破聖衣来さんの出身中学は、群馬県高崎市にある公立中学の、高崎市立大類中学校です。

大類中学校は、1979年(昭和54年)に高崎市立第八中学校として開校し、1987年(昭和62年)に現在の校名に改称しています。
不破聖衣来さんは、中学時代から中距離・長距離選手として活躍しており、トラック・駅伝・クロスカントリーではほぼ無敵と言われてきました。

不破聖衣来さんの中学時代の戦歴は次の通りです。
・2017年 全国女子駅伝 3区 区間賞
・2017年 全国中学クロスカントリー(3km) 優勝
・2017年 全日本中学陸上 1500m 優勝
・2017年 ジュニアオリンピック 1500m 優勝
・2018年 全国女子駅伝 3区 区間賞
・2018年 全国中学クロスカントリー(3km) 2位
・2018年 国民体育大会 少年1500m 2位
無敵と言われた不破聖衣来さんは、決してエリート的な指導を受けていたわけではないと言います。
幼い頃から、現在、センコー女子陸上競技部所属の姉・亜莉珠(ありす)さんの背中をひたすら追いかけてきたそうです。
出典元:センコー
そして、亜莉珠さんと走るのに付き合ってくれたのが「おじいちゃん」で、不破聖衣来さんの原点だと言います。
私たちの原点が、おじいちゃんが小学校の頃に毎朝、持久走練習に付き合ってくれたことなんです。おじいちゃんが一緒にいてくれて、それで走るのが楽しくなって、大会にも出るようになったりした。
引用元:number.bunshun
不破聖衣来さんのおじいは当時65歳だったそうですが、昔はクロスカントリースキーで国体に出たこともある人で、夏場の練習で長距離を走っていた経験から、姉妹と一緒に走ってくれていたと言います。
不破聖衣来さんは、「今でも陸上のことは、一番におじいちゃんに報告してます」と語っています。
不破聖衣来の出身高校
不破聖衣来さんの出身高校は、群馬県高崎市にある私立校の、高崎健康福祉大学高崎高等学校普通科アスリートコースです。
出典元:上毛新聞
高崎健康福祉大学高崎高等学校は、1936年に服装和洋裁女学院として創立され、2000年までは群馬女子短期大学付属高等学校(女子校)でしたが、2001年に現在の校名に改称しています。
高崎高等学校の偏差値は40~64となっており、普通科のみ設置され、「特進コース」「大進コース」「進学コース」「アスリートコース」の選択ができます。
不破聖衣来さんが在籍していたアスリートコースは、必ず強化指定部に所属し、体力・精神力・技術力を磨くことを目的としています。
また、競技実績を上げるだけでなく、自分の目指す進路に進めるように、確かな学力や豊かな人間性を身に着ける事に重点をおいています。
更に、週2回、2時間ずつ行われる選択実技では、レベルの高い運動技術の習得や、筋肉の動き方や運動前の食事の摂り方など、競技力向上のための理論も学ぶことができます。
出典元:note
不破聖衣来さんは、1年目からインターハイや国体、ジュニアオリンピックへ出場し、全国区で活躍しています。
しかし、2年生の時は、シンスプリントというスポーツ障害を引き起こし、また、新型コロナの影響で目立った実績を残すことができませんでした。
高校3年生の10月に行われた2020年全国高校陸上の3000mで、久しぶりに6位入賞を果たしました。
続いて同年12月には、5000mで15分37秒台をたたき出し、高校ランキング1位を獲得しています。
出典元:高岡高等学校
そして、不破聖衣来さんは、2021年2月に高校最後となるクロスカントリー日本選手権のU20の6㎞に出場し、唯一20分を切り、2位と大差で優勝を果たしています。
高崎高等学校卒業後、2021年4月から拓殖大学へ進学しています。
不破聖衣来さんは、1年生の12月に「関西実業団ディスタンストライアル」の女子10000mに出場し、30分45秒21を叩き出し、日本歴代2位及び、U20新記録、日本女子学生新記録を樹立しています。
不破聖衣来はなぜ拓殖大学へ?
出典元:時事ドットコム
不破聖衣来さんは、高校卒業後の進路を実業団に進むか、大学へ進むかで迷っていました。
最終的に拓殖大学へ決めた理由は、拓殖大学女子陸上競技部の五十嵐監督の熱意と、
日本一ではなく、もっと先を見据えて、世界で戦える選手にしたい。一緒に世界を目指して頑張ろう。
引用元:4years
と言われたことだそうです。
出典元:拓殖大学
五十嵐監督
五十嵐監督は、不破聖衣来さんを高校時代から目を付けていて、大学へ進むのなら必ず獲りたいと、「人生かけて獲りたいと思った選手」だと言います。
不破聖衣来さん自身も、
4年間の目標がしっかり見えました。チームの成績がどんどん上がっている拓殖大学に自分が入って、さらにレベルが上がればもっと陸上を楽しめる。
引用元:4years
と抱負を語っています。
不破聖衣来さんは、大学生活が始まった3月から4月後半は、貧血で走れない時期がありましたが、食事療法を行って克服したそうです。
更に、貧血も重なって、不破聖衣来さんが本来のパフォーマンスを発揮できていなのを見た五十嵐監督は、
中学時代からの練習日誌をすべて借りて、大会前や強化期間にはどんな連取をしていたのか、好結果を出した時はどういう流れでレースに持っていったのかなどを全てチェックしました。彼女にとってベストな練習が少しずつ分かってきて、6月あたりから結果につながっていった印象です。
引用元:4years
と述べています。
その結果、不破聖衣来さんは日本学生個人の5000mで2位、U20日本選手権の5000mで優勝、日本インカレの5000mで優勝、全日本大学女子駅伝の5区で区間新と、1年目で「学生日本一」を手にしました。
不破聖衣来さんの大学4年間の最大の目標は、2024年のパリオリンピックの10000m出場を掲げています。
不破聖衣来の凄さの理由を解説

不破聖衣来さんの凄さの理由は、「腕の振り方」「ヒールストライク走法」「ペース配分」の3つのポイントが上げられます。
不破聖衣来さんの腕の振り方は、女子の400mや800mなどの短距離選手の腕の振り方と同じで、前腕を脱力しながら綺麗にリズムよく走っています。
不破聖衣来さんの凄い所は、その推進力の出る腕の振り方を、5000mや10000mなど長距離でも持続できる点だと言われています。
そして、不破聖衣来さんの走法は、「ヒールストライク走法」と言われるかかとから着地する走り方で、足から地面へと力が伝わり、それに反発する力を利用して前に進みます。
日本人の体の重心はかかと側にあると言われているため、少ない負担で走る事ができ、足裏全体を使う事で推進力を生みだしている点が特徴です。
さらに、不破聖衣来さんの凄い理由の3つ目は「ペース配分」です。
不破聖衣来さんは常に落ち着いており、後ろからタスキを貰っても、思い切りつっこんで走るようことはせず、しっかり自分のペースを守っていて、ほぼ一定のペースか後半上げていくネガティブスプリットです。
不破聖衣来さんは、中学時代からトラックや駅伝、クロスカントリーで全国を制覇してきている選手ですので、その経験からペース配分が養われていると言われています。(参考情報:YouTube@ひいろ1010)
いかがでしたでしょうか?
今後も益々の活躍が期待される不破聖衣来さんを、引き続き注目していきたいと思います。