東海理化に所属する、プロ車いすテニス選手の小田凱人(おだ・ときと)さん。
小田凱人さんは、テニスの全仏オープンで四大大会初優勝を果たし、注目を集めています。
そんな小田凱人さんはどんな病気だったのでしょうか?
そこで今回の記事では、
・小田凱人は歩ける
・小田凱人と国枝慎吾
の3つのポイントに沿って、小田凱人さんについてご紹介したいと思います。
小田凱人の病気は骨肉腫!

小田凱人さんの病気は『骨肉腫(こつにくしゅ)』で、骨に発症する悪性腫瘍(ガン)の中でも最も頻度の高い代表的なガンです。
中学生や高校生など10代の思春期の年齢に発症しやすく、日本国内では1年間に200人くらいが罹る病気です。
小田凱人さんの小学生時代は、プロのサッカー選手を目指すサッカー少年でした。
しかし、9歳の時に靴下も履けなくなるほどの痛みを感じ、病院へ行くと「骨肉腫」と診断され、左足の股関節と大腿骨の一部を切除して、人口関節に置き換える手術を受けています。

そのため、歩くことが困難となり、プロサッカー選手になる夢を諦めることとなります。
小田凱人は「約1年治療して、血液検査で『死ぬんじゃないか』っていう数値が出たこともあった。誰も経験したことのない経験。すごいラッキー。珍しい病気で1万人に1人。選ばれたつもりで胸張って」と前向きな発言をしています。
しかし、実際の治療は辛く、常に脚は痛み、手術後1~2ヵ月は寝たきりで、毎日痛くて泣いてばかりいたそうです。
一番辛かったのは「サッカーが出来なくなる」と言われた時で、小田凱人さんは「退院して、またサッカーに戻りたいって思いは、手術する前ににはあったんですけど。もう、これは難しいな」と思ったと言います。
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そんな中で、小田凱人さんに大きな希望を与えた存在が、車いすテニスの第一人者の国枝慎吾(くにえだ・しんご)さんでした。

出典元:朝日新聞
病院のベッドの上で、2012年のロンドンパラリンピックに出場する国枝慎吾さんを画面越しで観て、小田凱人さんは「かっこいい!迫力というか、表情というか、試合中の雰囲気に圧倒されて…。」と大きな感動を覚えたそうです。
それまでサッカー一筋だった小田凱人さんの心に火が灯り「次はサッカーのプロではなく、車いすテニス世界一に!」と決意し、「早くテニスがしたい」とリハビリに励んできました。
その努力の結果、小田凱人さんは手術から半年後に一時退院ができるようになると、自宅で車いすを操り、ラケットを存分に触れるまでに回復したそうです。
しかし、これまでに2度ガンが肺に転移しており、4ヶ月に1度の検査は今でも欠かせないと言います。
小田凱人さんは「“上手くいくわけがない”。上手くいかないのが僕の普通。そこでくじけたりっていうのは全くない」と語っています。
こうして、車いすテニスに飛び込んだ小田凱人さんは、誰もが驚くスピードで成長を遂げていくことになります。
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小田凱人は実は歩けるの!?

小田凱人さんを検索すると『小田凱人 歩ける』と出て来ることから、小田凱人さんが歩けるのかどうか気になる人が多いようです。

結論から言うと、小田凱人さんは歩くことができます。
長い距離を移動する時は車いすを使用しますが、短距離なら杖をついて歩くことができるそうです。
当然、立つこともできるので、写真撮影の時などは立ち上がって撮影することもあります。
小田凱人さんは「人目につかない所ではなるべく歩いたりして。足を使わないのも弱ったりするのに繋がるので」と、なるべく歩くようにして足を鍛えているそうです。
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小田凱人は国枝慎吾の後継者と期待大!

小田凱人さんは、現役引退を発表した国枝慎吾さんから「これからの車いすテニスを引っ張ってくれ」と激励を受けたそうです。
日本の車いすテニスの第一人者と言われる国枝慎吾さんは、2023年1月22日に世界ランキング1位のまま現役引退を表明しました。
国枝慎吾さんは、ユニクロの所属していた元プロ車いすテニス選手で、「グランドスラム」車いす部門で、男子世界歴代最多の計50回の優勝記録保持者で、パラリンピックではシングルスで金メダル3個、ダブルスで1個、5大会連続でメダルを獲得しています。
小田凱人さんは、憧れの存在だった国枝慎吾さんから激励され「誰もが(後継者と)言ってもらえるわけではない。ビッグな選手になりたい」と思ったそうです。
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10歳で車いすテニスを始めた小田凱人さんは、持ち前の運動神経の良さを発揮し、すぐに開花します。
わずか3年でジュニアの世界一に輝き、2021年に出場した12の大会で全て優勝し、史上最年少(当時15歳)で「車いすテニスジュニア世界ランキング」1位となり、世界世界を驚かせました。

そして、小田凱人さんは、2022年4月に東海理化と所属契約を結びプロへ転向し、2023年1月開催の全豪オープンで準優勝、6月開催の全仏オープンで優勝を果たし、史上最年少で世界ランク1位が確定しています。

プロに転向した際、小田凱人さんは「今、病気で闘っている子供たちのヒーロー的な存在になれるような選手を目指して頑張っていきたい」と決意を語っていました。
いかがでしたでしょうか?
今後も益々話題となりそうな小田凱人さんを、引き続き注目していきたいと思います。