4月22日に神戸市長田区のラーメン店で起きた射殺事件。
殺害された店主の余嶋学さんは、山口組傘下組織の組長でした。
そんな余嶋学さんを発砲した犯人はいった誰なのでしょうか?
そこで今回の記事では、
・余嶋学がラーメン屋の理由
・余嶋学の前科・逮捕歴
の3つのポイントに沿って、余嶋学さんについてご紹介したいと思います。
余嶋学を発砲した犯人は誰?

余嶋学さんを発砲した犯人はまだ捕まっていません。
報道によると、次のような犯人像のようです。
・瘦せ型で身長165㎝程度
・銃撃したとみられる人物が店の近くに止めた車で逃走
・車の周辺に3人の姿が映っている(複数犯か?)
・よく似た車が岡山県内で見つかる
・廃品回収関連の仕事をしている人物から車両を借りている
兵庫県警は暴力団の抗争事件として、この人物の行方を追っています。
また、遺体と現場の状況は、店に荒らされた形跡は見られず、殺害された余嶋学さんには刺し傷や切り傷などの外傷がなく、頭部に銃弾のようなものが残っていました。
犯罪ジャーナリストの小川泰平さんは「拳銃の銃口を口の中に入れて、それで弾いている」と推測。
口の中で発砲すると防音効果があると言い、銃弾が頭を貫通しなかったのは、比較的小さな38口径や45口径のものではないかと説明しています。
確かに、事件当日、近所の人の話では「銃声のような音は聞こえてこなかった」と話していました。
しかし、口の中に銃口を入れることはそう簡単ではないと言います。
特に、余嶋学さんは以前は地下格闘技をしており筋肉隆々で、喧嘩もめちゃくちゃ強いと言われているため、襲われるとなるとかなり抵抗もするはずです。
しかし、防犯カメラには1人しか映っていないため、銃を口の中に入れるということは「強い殺意」はもちろん、「非常に強い恨みをもっている」人物と見ているようです。
【2023年5月11日追記】
デイリー新潮によると、事件から10日後の5月2日に、4代目山健組傘下の初代妹尾組(本部・岡山)の元若頭補佐が、兵庫県警に逮捕されています。
元若頭補佐が、余嶋学さんを射殺したヒットマンの乗った車を解体業者の所へ出し、解体寸前の状況だったそうで、その解体業者も逮捕されています。
当初から車を貸し出した人物が注目されており、その人物が元若頭補佐で、彼は15年程前にある事件で懲役へ行くことになり、その前にカタギになり、現在、表向きは収集運搬業に携わっています。
この元若頭補佐は、現役時代に野球賭博に関係しており、余嶋学さんも野球賭博の胴元をやっており、負債がかなりかさんでいたようで、2人の接点の可能性があるとのことです。
さらに、元若頭補佐は火器銃器の取り扱いに精通していると言われ、捜査当局もその点を注目しているそうです。
余嶋学のラーメン屋は隠れ蓑!?

余嶋学さんはラーメン『龍の髭』の店長を務めていましたが、ラーメン店は知人のお店だそうです。
しかし、余嶋学さんはB級グルメの食べ歩きが大好きで、「ラーメン屋は喜んでやっていた」と幼馴染みが話しています。
余嶋学さんはインスタグラマーとしても有名で、InstagramにはB級グルメ、ラーメン、うどん、そば、居酒屋などの料理の写真を投稿しており、その数は887件にものぼっています。
余嶋学さんは非常にラーメン愛が強く、ラーメンの研究・仕込みなどは去年からやっていたとか。
ラーメン屋『龍の髭』は2016年5月にオープンしており、当初は定食屋だったのが、5年程前にラーメン屋に変わり、余嶋学さんはラーメン屋になってから店に立ち始めたそうです。
最近の情報によると、余嶋学さんは去年までは店に立つことはなく、それまで別の店長がいましたが、今年辞めてしまい、新しい店長が決まるまでの間、作る人がいないため余嶋学さんが厨房に立っていたようです。
余嶋学さんはいつも頭にタオルを巻き、Tシャツを着て厨房に立ち、すごく真面目に働いていたと言われています。
『龍の髭』は看板メニューがテールラーメンで、とにかく安く、店はいつもそれなりに客が入っていて評判は良かったそうです。
一方で、「あの安さでどうやって利益を出してるんだろう」と地元でも話題になっており、閉店後の店内に強面の男性が10人くらい集まったり、店に車が突っ込んだこともあったとの証言もありました。
余嶋学の前科や逮捕歴がヤバい!

余嶋学さんには、これまでに逮捕歴が4回ありました。
・2014年 恐喝未遂で逮捕
・2016年 酒気及び運転同乗容疑で逮捕
・2020年 組織犯罪処罰法違反で逮捕
●2011年 恐喝未遂で逮捕
余嶋学さんは、2011年11月に輸入雑貨販売業者の男性から現金約1億円を騙し取ろうとしたとして、恐喝未遂容疑で逮捕されています。
逮捕容疑は、2011年5月下旬頃、男性の知人が賭博で借金を作ったなどと、存在しない金銭トラブルを理由に因縁をつけ、「俺は弘道会だ。借金はお前が払え」と迫り、現金約1億円を騙し取ろうとした疑いです。
余嶋学さんは「俺は知らない」と否認しています。
●2014年 恐喝未遂で逮捕
余嶋学さんは自称会社員の正岡学さんと共謀し、清掃アルバイトの男性から現金400万円を恐喝しようとした疑いで逮捕されています。
2人は、平成20年11月~12月に、神戸市西区の清掃アルバイトの男性に「払わなあかん金があるやろ。債権がまわってきとんじゃ」などと脅し、現金計400万円を恐喝したとされています。
この男性は平成11年頃、知人と飲食店を開業しようと別の知人から約1000万円借りますが計画が頓挫しており、余嶋学さんらはそれを聞きつけ犯行に及んだようです。
しかし、余嶋学さんは黙秘し、正岡学さんは一部否認していたそうです。
●2016年 酒気及び運転同乗容疑で逮捕

余嶋学さんは、2016年4月、知人が酒気帯びなのを知りながら、その知人が運転する車に同乗したとして、道路交通法違反の疑いで逮捕されています。
2人は一緒に飲酒していたとみられ、その際に余嶋学さんが男性に自宅まで送ってくれるように依頼したそうで、飲酒検問で道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で現行犯逮捕となっています。
●2020年 組織犯罪処罰法違反で逮捕
余嶋学さんは、2020年11月、詐欺グループからお金を受け取り、組織犯罪処罰法違反で逮捕されています。
余嶋学さんは、休眠会社の社員を装って、電気店などから発電機をなどを大量に購入し、代金を支払わずに姿を消して、商品を換金する『取り込み詐欺』を行っていた詐欺グループから、犯罪収益の一部と知りながら現金10万円を受け取ったとして、逮捕されています。

酒気帯び運転以外、お金がらみの犯罪が多いですが、余嶋学さんは常に「金欠」だったようです。
2005年に余嶋学さんは、神戸市須磨区の55平米の土地に、2階建ての組事務所を自身の手で建て、2007年に不動産も取得しています。
しかし、不動産登記簿を見ると、神戸市は2010年、2014年、さらに2018年~2023年まで長期間に渡って差し押さえられており、税金の未納が原因だとか。
余嶋学さんは、暴力団の毎月の上納金も長く滞納したままで、組事務所の建設の時は弘道会の有力組長から借金をしており、その借金もまだ残っていたそうです。
ラーメン屋店長という異色の組長を襲撃したのはいったい誰なのか、今後の捜査を見守りたいと思います。